身近な例から考える: エシカル消費

「あなたの買い物が、世界の明日を変えるかもしれない」と言われたらあなたは何を思いますか?

この言葉には二つの解釈の仕方があります。


一つ目は、「私たちの買い物で、明日の世界を暗くしてしまう」という捉え方です。

例えばあなたがスーパーマーケットで何気なくチョコレートを買ったとしましょう。そのチョコレートは安かったし味もまあまあだったとします。
しかしそのチョコを作る段階には「世界を暗くする」要素が含まれているかもしれないのです。


その要素は多岐にわたります。
挙げるならば、チョコの原料であるカカオ豆を作る農場で、学校に行くべき子どもが働かされていたり、農地拡大のための過激な森林伐採が行われている可能性があります。また、カカオ豆生産者に対する搾取が行われているかもしれません。


「チョコレートを食べる」という行為だけでも、その背景に児童労働、環境破壊、労働搾取という要素が出てきます。これらが世界を暗くしているのは言うまでもありません。




しかし、だからといってチョコレートを食べるのをやめなければいけないのではありません。その背景を"知る"ことで、私たちはフェアトレードのチョコレートを"買う"などといった新たな選択が可能になり、世界を暗くさせない買い物で生活できるようになるのです。

こういった消費の際に配慮ある選択をすることを「エシカル消費」と呼びます。つまり「私たちの選択が世の中にどのような影響を与えるか」について、正しく考えながら消費活動を行うことを指します。

この「エシカル消費」は、近年消費者庁もその重要性を認め、体制づくりに乗り出していますが、その言葉の意味自体なかなか広まっていないようです。



Ynupc(横浜国大非公認)(@ynupc)様にTwitterでのアンケートを依頼。質問内容は「横浜国立大学の学部生の皆さんに質問します。エシカル消費という言葉の意味を知っていますか?」。調査期間は2016.5.23から2016.5.26。回答数は99。


上のグラフは当団体が行った大学の学部生に向けて行ったアンケートの結果です。これを見ても分かる通り、「エシカル消費」という言葉がこの年代層には浸透していないことが分かります。これは、「エシカル消費」を普及させるための大きな課題になっているのが現状です。



話題が戻りますが、解釈の二つ目は「私たちの買い物で、明日の世界を明るくする」ということです。もしあなたがそのチョコレートの裏側を知っていたら、そのチョコを避けてフェアトレードのチョコレートを買って、「エシカル消費」を実行できたら、きっと明日の世界はちょっとよくなることでしょう。



私たちの消費が、世界にどんな影響を与えているのか。そのことを考えて生活し、世界をよくするためのカギが「エシカル消費」なのです。



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